YAMAHA SEQTRAK vs teenage engineering “K.O.Ⅱ” EP-133 両方買って比べた(第一版)

※注意: 本記事の記載主は、電子楽器ど素人なので、そういう人からみた意見としてお読みください。

 

経緯

音楽のジャンルとして従来から電子楽器を使った音楽というのは好きだったもの、
特に電子楽器に触れる機会も知識もなく過ごしてきた。
吹奏楽をやっていた影響もあり、なんとなくアコースティック寄りな人生)

 

しかし、2023年末にニュース記事でYAMAHAのSEQTRAKを見た瞬間、「あ、これは買わないと」という意思が固まった。

おそらく、デザイン性が非常に気に入ったのと、その後みた島村楽器の方のハンズオン動画が非常によかったから。

 

そしていざ届いてみると、どうやら近しい機種として、tennage engineeringのKO2というものがあることがわかった。

こちらも、デザイン性が非常に優れており、瀬戸康史さんのハンズオン動画に惹かれて、追加で買ってしまった。

 

せっかく両方かったのだから、どちらを買うか迷っている人向けに記事を書いてみた、という次第。

 

価格/入手性

SEQTRAKは、税込55,000円。ヨドバシ/ビックカメラなどで購入すれば5,500円分のポイントもつく。
が、2024/3/1時点では結構いろんなところで品切れしていて、初回生産以降の販売はまだ補充されていない模様のため、ちょっと入手が難しいかもしれない。

 

EP-133は、日本の販売代理店メディアインテグレーションでは54,450円。こちらも同じく、2024/3/1時点では在庫があまりなさそう。

しかし、EP-133は本国teenage engineeringから直接オンライン購入できる
価格は$299。一昔前であれば3,5000円ぐらいといったところだが、昨今の円高の影響で、割高に。
それでも、私が買った¥150/$ぐらいの2024/2/16の注文でも、為替手数料など含めてクレジットカードの引き落とし46,029円+関税(配達の受け渡し時に払う。私は2,500円でした)で、日本代理店よりは安い。(この商品であれば)送料も無料。
デンマークからの発送ながら、届くのも結構早くて、私の場合は土日含めても10日程度で届きました。

ただし、代理店から購入しない場合は、日本での保守/メンテナンスの恩恵は受けられません。
この点については機材不具合/メンテナンスの項目で詳細説明します。

 

機材不具合/保守対応

機材の評価に入る前にこの話題に入るのもアレですが、双方とも話題になっていたので・・・

SEQTRAKは、キーの反応が悪い、という投稿がXなどで散見されていました。
かくいう私の購入した機材も、シンセサイザーのボタンが2つほど反応が悪く、そのまま使うには結構ストレスが溜まる状況でした。
普通のキーは、キーの引っ掛かり(キーを押すとカクっとなるポイント)を超えると反応してくれるんのですが、反応が悪いキーは底まで押し切らないと反応しきらない、という感じです。
(メロディを引く際に、他と同じ感じで押していくと反応しないキーがあるのでストレス)

発売日(金曜日)の翌営業日(月曜日)にサポート問い合わせの上、即日サポートセンターに発送しました。(ちなみに、月曜日の段階ではYAMAHAの問い合わせセンターの方は新商品のSEQTRAKのことを把握されてませんでした笑)
2−3日でサポートの方から電話があり、「確かに反応は悪い部分はあるが、検査基準的には問題はない。とはいえ、そのまま返されても納得できないと思うので、サポートセンター内の別の商品を送る」とのことで、交換していただけました。(ちなみに、サポートセンターの予備としても最後の一台、とのことでした)
返送いただいた交換品については、キー反応も問題なく、快適に利用ができています。

日本の大きなメーカーの商品ということで、この手の保守対応はやはり安心感があります。

 

EP-133については、フェーダーが使えなくなる、という事例をXなどで見かけました。
(私の機材は幸運にも問題ありませんでした)
箱が山積みになった際に、フェーダーが圧迫されるのでは、とのことで、箱を見てみると、フェーダーの先端が当たる部分は色が変わっており、確かに何らかの圧力は受けているように見えます。
(対策として、フェーダーにゴムカバーが付いていましたが、あんまり意味はないのでは、という気はします)

日本代理店から購入している場合、フェーダーの検品済みとのことで、ハズレの可能性は低いかもしれませんが、それでも、フェーダーノブ取り付け時に、上から強く押し込むと破損の可能性もありそうです。

もし問題があった場合、直輸入の場合でも、本国とのやり取りになってしまうものの、費用発生せず交換はしてもらえるようです。
そのあたりの経緯が以下ページに細かく記載されていますのでご参考にしてください。

teenage engineering EP-133 K.O.II スウェーデンストックホルムの本社に送って不良交換を行なった話
https://t5blog.waveformlab.com/2023/12/ep-133-broken-fader.html

 

デザイン

さて、いよいよ本題です。

SEQTRAKは、横長のミニマル/ソリッドなデザインで、PCのキーボードのようなサイズ感です。
コンパクトながらスイッチが詰め込まれたデザインは美しく、左右のアンバランスな場所での大胆な色の切り返しも目を惹きます。
玄人の携帯デバイス、という佇まいです。

 

EP-133は、電卓を模したベースデザインに、オレンジを差し色としたモノトーンの配色。
左上に燦然と輝く「サンプラー」の文字に、日本人としては違和感を覚えつつも、それを受け入れてしまう可愛らしさがあります。

そして、個人的には、電源を入れると稼働する表示部がとても気に入っています。
色とりどりのユニークなアイコンと、操作に応じた動き。
0/1のデジタルな切り替わりではなく、強弱に応じたアナログな明暗の切り替わりが、目を楽しませます。
特に、FX2.0 PUNCH INの表示の楽しさは特筆もので

また、各所にレゴ用の取り付け箇所があり、デンマークならでは(レゴはデンマークの会社)のデザインセンスです。
全体を通して、美しいデザインと遊び心に溢れていると感じました。

 

どちらの機材もデザイン性に非常に優れており、その選択は個人の価値観に委ねられるでしょう。

 

音源

SEQTRAKは、音源が非常に豊富。
プリセットは「プリセットサウンド 2,032 個、プリセットサンプラーサウンド 392 個」
シンセサイザーも大量に音があるし、FM音源もプリセット大量/細かいパラメーターを事細かにいじれます。
端末に入っているだけではなく、アプリ経由でさらにロードすることもでき、選ぶのに困るほどです。
サンプリング機能やアルぺジエーターなどもついてます。

 

EP-133は、パッと数えた感じ、デフォルトでライブラリに登録されている種類は310種類ほど。あくまでサンプラーなので、基本的には自分で登録せよ、とのことか。
FM音源を作ったりする機能も当然ない。

サンプリングした音を音階で再生できるのは楽しい。(SEQTRAKはその機能はない)

 

操作性

個人的にはこの項目が違いが一番影響が大きいなと思いました。

SEQTRAKは、いろんなボタンを組み合わせて(たとえばボタンAとボタンBを同時押し)操作する系統が多いのですが、ボタンにその辺の操作がされているわけではないので、なかなか操作を覚えるのはレベルが高そうです。
サウンドの切り替えも、今どのページにいるのか、とか、FXもどの状態なのか、というのがパッとわからない。
アプリを使えば基本的に全てGUI操作が可能なのですが、アプリありき、な状態。
FXなどは、アプリを使わないと切り替えられないものも結構あります。

 

EP-133は、ボタンの操作系も、基本的にはボタンの説明から大体操作が想像がつきます。(たとえば、シフトを押しながら操作したら何になる、とか、どのボタンがどのFX、とか大体記載されています)
また、画面表示も付いているため、今自分がどのステータスにいるのか、というのが目で確認できる点も大きいです。

あと、反応が全てクイック。音の切り替わりの際に、その都度音が出てくれるのも小気味良い。

 

その他

・SEQTRAKは内蔵バッテリー、EP-133はバッテリー無し・単4電池*4で駆動。
 * SEQTRAKはプリセット800MB+ユーザー500MB、EP-133は合計64MB